股・膝・足の痛みについて
日常生活に支障をきたす前に
痛みは早めにご相談ください
股・膝・足に痛みがあると、歩行能力が低下して日常生活に大きな支障をきたす心配があります。歩行や階段の昇り降りが億劫になり、外出をためらうようになってしまうケースも見られます。痛みを我慢したり放置したりすると次第に症状が悪化して、日常生活がますます困難になるため、できるだけ早めにご相談ください。
CONSULTATION
こんな場合はご相談ください
- 股関節が痛い
- 足の裏が痛い
- 膝が痛い
- 足がしびれる
- 足首が痛い
- 足にしこりがある
よくあるご質問
膝が痛いのですが、老化現象と言われ困っています。どうなっているのでしょうか?また、治療法はありますか?
まず問診をして身体所見をとります。その上でX線にて骨、関節の異常がないか調べます。疼痛や腫脹、変形などにより膝関節に障害を引き起こす代表的な疾患として、関節症と炎症性疾患があります。関節症には変形性膝関節症やそれに伴う変性半月板損傷がよく見られ、特発性骨壊死などもあります。炎症性疾患には関節リウマチ、痛風・偽痛風、化膿性膝関節炎などがあります。それぞれ正確な診断をして、適切な治療を行います。最も多い変形性膝関節症では、投薬や膝関節内注射を含めた薬物療法を行い、必要に応じてリハビリ室での理学療法を実施します。また装具療法を併用することもあります。このような保存療法をしても改善しない場合は、手術療法(膝関節鏡や骨切り術、人工膝関節置換術など)を考慮します。
転んで足をくじいてしまいました。どんな応急処置をすればよいですか?
まず基本は、痛めたところを安静にすることが大切です。その上でアイシング等を行い腫れの悪化を防ぎましょう。皮下出血を伴う場合は重度の靱帯損傷や骨折の可能性もあります。捻挫くらいと安易に考えずに早めに医療機関を受診しましょう。
股関節が痛むのですが、どんな疾患が考えられますか?
特にケガや外傷がなければ、変形性股関節症や臼蓋形成不全によるものが多く、大腿骨頭壊死症などもあります。最近では大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)と言って、股関節の運動時に大腿骨頸部と寛骨臼が衝突(インピンジメント)することにより股関節が傷められる病態があることが分かってきました。
代表的な疾患
外反母趾
幅が狭く、先が細くなった靴やハイヒールで足の親指のつけ根が圧迫されて起こります。中年期以降の肥満や筋力低下が影響することもあります。親指が「く」の字に曲がり、関節から突き出した部分に痛みが生じます。突き出した部分が靴などに当たって炎症を起こすと、さらに痛みがひどくなり、靴を履いていない状態でも痛むようになります。
扁平足
加齢や体重の負荷などが原因で足底のアーチが失われてしまう状態を扁平足と呼びます。幼児期に生じる扁平足は、成長とともに改善することが多いため問題ありませんが、成人の扁平足は様々な症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。重症の場合は手術が必要になることもあります。
外脛骨障害
足の内側に骨性の隆起と同時に痛みを伴う疾患です。スポーツを行うことが多い10~15歳に多く発症し、運動を繰り返し行っているうちに徐々に痛みが強くなる場合が多いです。成人でも捻挫などの外傷が原因で急性に発症する場合もあります。
変形性膝関節症
老化や肥満などによる膝の軟骨のすり減りや変形が原因の疾患です。60代以上の男性や50代以上の女性に多く見られます。立ち上がる際や歩き始めに膝に痛みが起こるのが特徴で、休むといったん痛みはなくなります。しかし、進行すると正座や階段の昇り降りが困難となります。さらに、末期になると安静時にも痛みがあり、膝が伸びないために歩行困難となります。
変形性股関節症
股関節の軟骨がすり減り、関節や骨が変形する疾患です。立ち上がる際や歩き始めに足のつけ根に痛みを感じます。進行すると痛みが強くなり、就寝時などでも常に痛みを感じるようになります。また、機能障害を伴って、日常生活が困難になるおそれもあります。明確な原因がなく発症する突発性と、外傷などが原因の続発性に分類され、日本人の場合、多くは先天性股関節脱臼と骨盤の外側の臼蓋(きゅうがい)の形成不全による続発性と考えられています。
変形性足関節症
足首の関節にある軟骨がすり減ることで痛みが発症します。原因は加齢や過去の骨折、捻挫などのケガが考えられます。進行してしまうと、歩行が上手くできなくなるなど日常生活に支障をきたすようになってしまいます。
足底腱膜炎
長時間の立ち仕事やマラソンなどの負荷が原因で、土踏まずのアーチを保ち、足裏にかかる体重をスプリングのように吸収している足底腱膜に炎症や断裂が起こった状態です。かかとや土踏まずに痛みが生じます。加齢や体重の増加が原因で発症するケースも見られます。
こむら返り
こむら返りは主にふくらはぎに突然痛みを感じます。原因は、ふくらはぎの筋肉が異常に収縮し痙攣を起こすことで、運動中や寝ている時に起こりやすいです。ほとんどの場合発症しても数分間で痛みがおさまります。
オスグッド病
骨の成長期の小・中学生が、過度にスポーツを行うことで発症しやすい疾患です。膝を伸ばす動作を繰り返すことで、膝に大きな負担がかかり、骨の端にあって成長をつかさどる軟骨部分が剥がれてしまうのが原因です。膝の皿の下のでっぱりが飛び出して痛みが生じ、赤く腫れたり、熱を持ったりすることもあります。成長痛とは異なる進行性のスポーツ障害のため、放置すると長期間の運動休止を余儀なくされます。外科的な治療が必要なケースもあり、早めの受診が大切です。
シーバー病(踵骨骨端症)
シーバー病とは足のかかとに痛みや腫れが出る疾患で、野球やサッカーなどのスポーツをしている小学生に多く発症します。成長期のお子さんに発症するため、成長痛と捉えられることも多いですが、スポーツ障害の一つです。
アキレス腱炎・周囲炎
踏み込み、ダッシュ、ジャンプなどの動作により繰り返し負荷がかかった後に十分な回復期間をとらないことで、足首の後ろ側にあるアキレス腱に炎症が起こる疾患です。剣道や陸上、ジャンプスポーツなどの運動選手に多く発症します。運動をしているときや歩き始めに、ふくらはぎからかかとのあたりにかけて痛みを感じることがあります。
アキレス腱断裂
ダッシュや踏み込み、ジャンプなどの動作で、アキレス腱に強い力が加わって断裂してしまった症状です。アキレス腱断裂の瞬間には、後ろから蹴られたような衝撃があり、強い痛みを感じます。断裂する際の音を自覚することもあります。直後は転倒したりしゃがみこんだりしますが、しばらく時間が経つと歩けるケースもあります。足首は動かせますが、つま先立ちはできません。
変性半月板損傷
膝関節のクッションの役割を果たしている半月板が損傷した状態です。ケガが原因で損傷する場合と加齢に伴って傷つきやすくなっているところに力が加わって損傷するケースがあります。膝を曲げたり伸ばしたりする際に痛みや引っ掛かりを感じ、悪化すると膝に関節液が溜まって膝が動かなくなるロッキング状態になり、歩けないほどの激しい痛みに悩まされます。
モートン(Morton)病
モートン病は加齢やランニングのし過ぎ、ハイヒールの常用などにより中指と薬指にしびれや痛みが発症します。
場合によってはふくらはぎまで痛みが広がる場合もあります。中年以降の女性に多く発症します。