肘・手・指の痛みについて
日常生活の中で酷使しがちで、
負担がかかりやすい部位です
肘・手・指は、いずれも日常生活の中でとても使用頻度が高い部位です。それだけに、パソコンやスマートフォンの長時間操作や、手や指を細かく動かす作業を続けると疲労が溜まり、痛みを生じることがあります。普段から適度な休息をとるようにしてください。当院ではテニスやゴルフが原因と考えられる肘の痛みの診察も行っています。痛みや違和感がある場合は早めにご相談ください。
CONSULTATION
こんな場合はご相談ください
- 肘が痛い
- 前腕や手がしびれる
- 肘が曲がらない
- 手にしこりができている
- テニスやゴルフで肘を痛めた
- 指が痛い
- 物を持つと肘が痛む
- 指のつけ根が痛い
- 手首が痛い
- 突き指をした
よくあるご質問
指の関節が痛くなり、腫れてきたのですが、リウマチが心配です。
リウマチは、指に症状が出た場合は指のつけ根の関節(MP関節)や第2関節(PIP関節)に起こりやすいとされています。その他に手指の変形性関節症として、指の第1関節にへバーデン結節が、第2関節にブシャール結節が出現することもあります。指が痛む、腫れる等の症状が出てきたら、まずは整形外科やリウマチ科を受診して診断を受けることをお勧めします。
突き指をしてしまったのですが、どうすればよいですか?
突き指をした場合は骨折をしていることもあるため、基本的には安静第一で、固定ができる場合は割りばしや段ボール紙等でもいいので固定をしましょう。アイシングすることもお勧めします。突き指には骨折や靭帯損傷、腱断裂などが隠れていることがあるため、必ず医療機関を受診してください。
指の曲げ伸ばしをすると痛むのですが、どんな疾患が考えられますか?
腱鞘炎や関節炎が考えられます。腱鞘炎にはばね指などがあり、関節炎にはリウマチなどの膠原病によるものや、へバーデン結節等の変形性関節症によるもの、痛風などの炎症性疾患によるものや細菌等による化膿性関節炎があります。痛みの場所や腫れの有無などを確認し、レントゲンやエコー検査、さらには血液検査等を行い詳しく診断していきます。
野球肘がなかなか治らないのですが。
投げる動作は、肘の外側では圧迫、内側では牽引と、違った力が加わります。成長期にこの繰り返しが過度になることで野球肘が起こりやすくなります。通常は投球を休むことで軽快することが多いのですが、離断性骨軟骨炎などの成長軟骨の異常を伴うと後に手術が必要になることもありますので、一度レントゲンを撮ることをお勧めします。その上で、当院では理学療法士(PT)による運動器リハビリ等を実施して、肘の周りの筋緊張を和らげ、肘への負担を減らすため他の関節の動きを保つリハビリを行います。また、野球経験者のPTによる投球指導等も行います。
代表的な疾患
肘内障
子どもが腕を引っ張られた場合などに、肘の靭帯から肘の外側の骨が外れかかってしまうことにより起こります。
歩き始めから小学校入学前までの子どもに多い症状で、発症すると腕を下げたままで動かさなくなります。
変形性肘関節症
仕事や運動などにより肘の中の軟骨がすり減り、骨が変形してしまう疾患です。初期段階では、肘に負担がかかった場合のみ痛みが発症しますが、進行すると骨棘と呼ばれる骨のトゲが現れることで肘の動きが悪くなり、日常生活でも痛みを感じるようになります。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
肘の外側の筋肉が酷使されて、炎症を起こしている状態です。手首を起こしたり、手を強く握ったりした際に、肘の外側から前腕にかけて強い痛みが生じます。テニスの愛好家に生じやすいことから、「テニス肘」とも呼ばれています。
肘部管症候群
肘の内側の神経が圧迫されて起こる神経障害の一種です。小指や薬指の一部がしびれ、進行すると手の筋肉が痩せ、小指と薬指が変形してしまうケースもあります。神経を固定する靭帯やガングリオンなどの腫瘤(こぶ)による圧迫、加齢や骨折に伴う肘の変形などが原因となります。
変形性関節症(へバーデン結節・ブシャール結節、母指CM関節症)
関節の間にある軟骨がダメージを受けてすり減り滑らかに動かなくなることにより、関節の骨などに摩擦が起き炎症が起こる疾患です。悪化すると関節の軟骨がなくなってしまい、骨と骨が直接すれて関節の損傷が進み痛みが強くなり、最終的には痛みで関節を動かすことが困難になる場合もあります。
腱鞘炎(ばね指・ドケルバン病)
指の使い過ぎが原因で、動かすたびに炎症が進みます。日常生活でよく手を使う人に多い他、妊娠・出産期、更年期の女性にもよく見られ、糖尿病、リウマチ、透析の患者さんにも多い症状です。指を曲げる腱の動きが悪くなり、指のつけ根の痛みや腫れ、熱感が現れます。進行すると、曲げた指を戻す際に引っ掛かりを感じるばね指の症状が起こり、さらに悪化すると指が動かなくなります。
強剛母指
小さい頃から親指の第1関節が曲がったままで伸びない状態を強剛母指と言います。生後3ヶ月以降になって、親御さんが気付く場合がほとんどです。押しても痛みはありません。
手根管症候群
手首の手管内にある神経が圧迫され、さらに手首の運動が加わって発症します。突発的に発症するケースが多く、明らかな原因は分かっていません。妊娠・出産期、更年期の女性に多いのが特徴で、腫瘍や腫瘤(こぶ)などによって引き起こされることもあります。初期には人差し指と中指にしびれや痛みが見られ、進行すると親指から薬指までの4本の指がしびれます。さらに悪化すると親指のつけ根が痩せ、親指と人差し指できれいな丸を作ることが難しくなります。
ガングリオン
手関節の甲側などにゼリー状の物質が詰まった腫瘤がガングリオンです。無症状の場合が多いですが、まれに神経を圧迫することで痛みやしびれを伴う場合があります。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
腕をひねったり、手首を小指側に曲げたりした際に、手首の小指側半分から手の甲にかけて痛みが生じる症状です。手首の酷使や加齢により、手首を支えたり曲げたりする際の衝撃を和らげるTFCC(三角線維軟骨複合体)が変形することで発症します。
槌指(腱性、骨性)
指の第一関節が木槌のように曲がった状態になり、痛みや腫れが伴います。自分で伸ばそうと思っても伸びません。突き指の一種でボールが指先に当たった場合に発症します。腱性は装具などの保存的療法を行いますが、骨折を伴う骨性の場合には、ギプスなどの装具での治療の他、手術を必要とすることがあります。
Dupuytren(デュプイトラン)拘縮
手のひらから指にかけてこぶのようなものができることで、皮膚がひきつれて徐々に伸ばしにくくなる状態です。薬指や小指に多く見られますが、まれに他の指や足の裏にもできることがあります。痛みや腫れなどはありません。