「骨粗しょう症」になると、骨の中身がスカスカになり、骨折しやすい身体になってしまいます。
診断されたことがある方の中には「骨粗しょう症は治るのか?」と心配になっている方もいるでしょう。
この記事では、骨粗しょう症の治療方法について詳しく解説します。
■骨粗しょう症は治る?
骨粗しょう症の治療は簡単ではありませんが、時間をかけることで少しずつ丈夫な骨に戻すことも可能です。
骨密度を改善する薬の使用や適度な運動、栄養バランスの整った食事など、さまざまな治療手段を続けることにより、骨は少しずつ頑丈さを取り戻していきます。
ただし、一度骨密度が改善したとしても、治療をやめてしまうと再び低下してしまう場合があります。
高齢になると骨の細胞が壊されるペースが早まるため、手を加えないでいると、骨はどんどん脆くなってしまうからです。
丈夫な骨を保ち続けるには、定期的に検査を受け、治療を継続する必要があります。
骨粗しょう症については「骨粗しょう症の骨密度について|骨粗しょう症とは何が原因でなる病気?」の記事でも解説しておりますので、参考にしてください。
■骨粗しょう症の治療法
整形外科で実施する骨粗しょう症の治療には、以下のようなものがあります。
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薬物療法
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運動療法
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生活習慣へのアドバイス
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食事療法
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◎薬物療法
骨粗しょう症治療の基本となるのが薬物療法です。
骨粗しょう症の治療に使用する薬には、主に「骨を壊す働きを抑える薬」「骨を作る働きを高める薬」「骨の作り変えのバランスを整える薬」の3種類があります。
高齢になると、骨が作られる働きよりも骨が壊される働きが活発になるため、骨密度が低下してしまいます。
薬で骨の作り変えのバランスを整えることにより、丈夫な骨を目指していきます。
薬の使用方法には「内服」や「注射」などさまざまな手段があり、患者さんごとに合った方法で治療を進めることが可能です。
◎運動療法
骨を丈夫にするためには、運動も重要です。
特に、骨に体重がかかるような運動には、骨が作られる働きを高める効果が期待できます。
また、運動は日中の屋外で実施するのがおすすめです。
日光を浴びることで、骨を丈夫にする「ビタミンD」が身体の中に合成されます。
そのため、整形外科では散歩やジョギング、階段昇降など、外で体重をかけながら行える運動を指導することが多いです。
運動を日課にすれば筋肉もつき転びにくくなることから、骨折の予防にも繋がります。
◎生活習慣へのアドバイス
骨粗しょう症治療の効果を高めるために、生活習慣の見直しやアドバイスを行う場合もあります。
中でも見直しが必要なのが「お酒」と「たばこ」です。
お酒の飲みすぎやたばこの吸い過ぎは、骨に必要な栄養の吸収を妨げる原因になってしまいます。
骨粗しょう症の改善を目指す場合はこれらを一度控えることも検討しましょう。
◎食事療法
骨が作られるには栄養が必要であるため、食事療法も重要なポイントになります。
骨を作るのにかかせない「カルシウム」や「ビタミン」などをバランスよく取り入れるため、日々の食生活を見直し、足りない栄養を補うことが重要です。
■骨粗しょう症は治療と同じくらい「予防」も大切
骨粗しょう症は治療だけでなく「予防」を意識することも重要です。
一度低下してしまった骨密度を元に戻すのには、長い時間と労力がかかります。
そのため、骨が丈夫なうちから食事や運動、生活習慣に気を配ることが大切です。
骨密度の低下をいち早く察知し対策するためには、定期的に「骨密度検査」を受けましょう。
整形外科では、専門的な検査機器を使用して骨密度を測定しています。
特に女性は骨粗しょう症を発症しやすいため、40歳を過ぎたら定期的に検査を受けることをおすすめします。
なお、国では老人保健事業の一環として骨粗しょう症健診を実施しており、住んでいる自治体で健診を受けられます。
各自治体のウェブサイトなどから、健診の情報を確認してみてください。
■骨粗しょう症は早めの予防と治療を心掛けよう
骨粗しょう症の治療は時間がかかるものの、適切に行うことで、丈夫な骨を取り戻すことも可能です。
早めの予防や検査、治療開始を心掛け、いくつになっても骨折することなく過ごせる身体を手に入れましょう。
『宮島整形外科クリニック』では、骨粗しょう症の相談や検査、治療を提供しています。
年齢を重ね骨折が心配になってきた方、早めに検査を受けておきたい方は、当院へお気軽にご相談ください。