日頃からできる骨粗しょう症治療の1つが「食事療法」です。
毎日の食事から骨を強くする栄養を摂取することで、骨を早く丈夫にできる可能性があります。
この記事では、骨粗しょう症に良いとされる食事を解説します。
骨粗しょう症を予防したい方や、骨密度を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■骨粗しょう症における「食事療法」
骨粗しょう症の治療には「薬物療法」や「運動療法」などがありますが、これらと同じくらい「食事療法」も重要です。
丈夫な骨を作るためには、十分な栄養を摂取することが欠かせません。
特に、骨の主な成分である「カルシウム」や、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」などが不足してしまうと、骨が脆くなってしまう可能性があります。
偏った食生活や、骨の成長に好ましくない成分の過剰摂取などを避け、日頃から骨を育てる工夫をすることが大切です。
■骨粗しょう症に良い栄養と食事
骨粗しょう症に良いとされる栄養と食事には、さまざまな種類があります。
骨を作る栄養素と、栄養を多く含む食べ物を見ていきましょう。
栄養素 |
栄養を多く含む食べ物 |
カルシウム |
牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐、ひじき、小松菜 |
ビタミンD |
イワシ、サンマ、しらす、シャケ、しいたけ、卵黄 |
ビタミンK |
納豆、キャベツ、小松菜、ブロッコリー、わかめ、海苔 |
マグネシウム |
ひじき、ほうれん草、玄米、アーモンド |
タンパク質 |
ささみ、しらす、卵、チーズ、油揚げ、納豆 |
イソフラボン |
豆乳、豆腐 |
ビタミンB6 |
魚類、肉類、ヒヨコマメ |
ビタミンB12 |
魚類、肉類(レバー)、卵、牛乳 |
葉酸 |
ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆、イチゴ |
これらの食事を一気に摂ろうとするのではなく、1日3食に分けてバランスよく摂取する、1週間のうちに順番に摂取するなど工夫しましょう。
■骨粗しょう症に「なりやすくなる」食事とは?
骨を丈夫にする栄養素もあれば、摂取し続けると骨を脆くする可能性がある栄養素もあります。
以下の栄養の摂りすぎには気を付けましょう。
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リン
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ナトリウム
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カフェイン
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アルコール
これらの栄養には、カルシウムの吸収を妨げたり、ビタミンDの働きを妨害したりなど、骨粗しょう症治療によくない作用があります。
少しであれば結構ですが、骨を丈夫にしたい方は気を付けなければいけません。
リンやナトリウムは、インスタント食品やスナック菓子などから摂取しすぎてしまう場合があります。
また、日頃からコーヒーやお酒をよく飲む方は、カフェインやアルコールの摂りすぎに注意しましょう。
■骨粗しょう症の食事療法における注意点
骨粗しょう症で食事や栄養に気を遣う場合、注意すべきことがあります。
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栄養はバランスよく摂取する
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喫煙を控える
骨を強くする栄養はむやみに摂取すればいいわけではありません。
人間の身体は、一度に吸収できる栄養が決まっています。
摂りすぎても吸収されずに外に出て行ってしまうか、体調不良を招く原因となる場合もあるため、食事内容には注意が必要です。
また、喫煙はカルシウムの吸収を妨げるとされており、せっかく栄養を摂取しても無駄になってしまう場合があります。
栄養を摂取するだけでなく、効率よく身体に吸収できるよう工夫することが重要です。
■食事療法の効果が見込めない場合はどうする?
がんなどの病気がきっかけで胃や腸を切除しており、骨に必要な栄養をうまく吸収できない方もいます。
その場合は食事内容に気を付けたとしても、骨が脆くなってしまう可能性があります。
食事療法での治療や予防が難しい場合は、薬物療法や運動療法など、ほかの治療法で補うことが大切です。
骨粗しょう症の治療薬には、様々な種類があり、体質や状態に合わせて適切な薬を使用する必要があります。
また、骨に適度な負荷をかける運動を行うことが望ましく、専門的な知識や経験を備えたスタッフのアドバイスが欠かせません。
整形外科クリニックの医師やスタッフは、骨粗しょう症や骨に関する正しい知識と、骨を成長させる運動方法を専門的に学んでいます。
薬を使用した治療を受けつつ、食事や運動などのアドバイスを受けたい場合は、整形外科へ相談してみましょう。
■食事で骨を丈夫にして骨粗しょう症を克服しよう
骨粗しょう症の克服には、バランスのとれた食事による栄養摂取が重要です。
カルシウムやタンパク質など、骨を作るのに欠かせない栄養を適切に摂取し、丈夫な骨を作り上げましょう。
『宮島整形外科クリニック』では、骨粗しょう症の治療や骨を強くするアドバイスを行っています。
定期的な検査や、予防に関する相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。