肘内障
子どもが腕を引っ張られた場合などに、肘の靭帯から肘の外側の骨が外れかかってしまうことにより起こります。
歩き始めから小学校入学前までの子どもに多い症状で、発症すると腕を下げたままで動かさなくなります。
変形性肘関節症
仕事や運動などにより肘の中の軟骨がすり減り、骨が変形してしまう疾患です。初期段階では、肘に負担がかかった場合のみ痛みが発症しますが、進行すると骨棘と呼ばれる骨のトゲが現れることで肘の動きが悪くなり、日常生活でも痛みを感じるようになります。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
肘の外側の筋肉が酷使されて、炎症を起こしている状態です。手首を起こしたり、手を強く握ったりした際に、肘の外側から前腕にかけて強い痛みが生じます。テニスの愛好家に生じやすいことから、「テニス肘」とも呼ばれています。
肘部管症候群
肘の内側の神経が圧迫されて起こる神経障害の一種です。小指や薬指の一部がしびれ、進行すると手の筋肉が痩せ、小指と薬指が変形してしまうケースもあります。神経を固定する靭帯やガングリオンなどの腫瘤(こぶ)による圧迫、加齢や骨折に伴う肘の変形などが原因となります。
変形性関節症(へバーデン結節・ブシャール結節、母指CM関節症)
関節の間にある軟骨がダメージを受けてすり減り滑らかに動かなくなることにより、関節の骨などに摩擦が起き炎症が起こる疾患です。悪化すると関節の軟骨がなくなってしまい、骨と骨が直接すれて関節の損傷が進み痛みが強くなり、最終的には痛みで関節を動かすことが困難になる場合もあります。
腱鞘炎(ばね指・ドケルバン病)
指の使い過ぎが原因で、動かすたびに炎症が進みます。日常生活でよく手を使う人に多い他、妊娠・出産期、更年期の女性にもよく見られ、糖尿病、リウマチ、透析の患者さんにも多い症状です。指を曲げる腱の動きが悪くなり、指のつけ根の痛みや腫れ、熱感が現れます。進行すると、曲げた指を戻す際に引っ掛かりを感じるばね指の症状が起こり、さらに悪化すると指が動かなくなります。
強剛母指
小さい頃から親指の第1関節が曲がったままで伸びない状態を強剛母指と言います。生後3ヶ月以降になって、親御さんが気付く場合がほとんどです。押しても痛みはありません。
手根管症候群
手首の手管内にある神経が圧迫され、さらに手首の運動が加わって発症します。突発的に発症するケースが多く、明らかな原因は分かっていません。妊娠・出産期、更年期の女性に多いのが特徴で、腫瘍や腫瘤(こぶ)などによって引き起こされることもあります。初期には人差し指と中指にしびれや痛みが見られ、進行すると親指から薬指までの4本の指がしびれます。さらに悪化すると親指のつけ根が痩せ、親指と人差し指できれいな丸を作ることが難しくなります。
ガングリオン
手関節の甲側などにゼリー状の物質が詰まった腫瘤がガングリオンです。無症状の場合が多いですが、まれに神経を圧迫することで痛みやしびれを伴う場合があります。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
腕をひねったり、手首を小指側に曲げたりした際に、手首の小指側半分から手の甲にかけて痛みが生じる症状です。手首の酷使や加齢により、手首を支えたり曲げたりする際の衝撃を和らげるTFCC(三角線維軟骨複合体)が変形することで発症します。
槌指(腱性、骨性)
指の第一関節が木槌のように曲がった状態になり、痛みや腫れが伴います。自分で伸ばそうと思っても伸びません。突き指の一種でボールが指先に当たった場合に発症します。腱性は装具などの保存的療法を行いますが、骨折を伴う骨性の場合には、ギプスなどの装具での治療の他、手術を必要とすることがあります。
Dupuytren(デュプイトラン)拘縮
手のひらから指にかけてこぶのようなものができることで、皮膚がひきつれて徐々に伸ばしにくくなる状態です。薬指や小指に多く見られますが、まれに他の指や足の裏にもできることがあります。痛みや腫れなどはありません。